【地下鉄の秘密①】丸ノ内線にはパンタがない

先日、JR中央線の御茶ノ水駅のホームから下を通る地下鉄丸ノ内線を何気なく見ていた時の話です。

何か妙な違和感があったのですが、「この違和感は何だろう? 何だろう?」と、しばらく考えてみて思い出しました。

丸ノ内線って屋根の上にパンタグラフ(集電装置)がないんです。

丸ノ内線⑧

これがパンタグラフです(中央線のもの)。

丸ノ内線⑨

丸ノ内線⑩

下の写真は丸ノ内線が地上に姿を現わす四ツ谷駅のホームで撮ったものですが、どうですか?

丸ノ内線①

架線もないおかげで空が広くみえますよね。
撮り鉄にとって鬱陶しいものの一つに電化区間の架線と架線柱があります。架線が電車の車体に被ってしまったり、架線や架線が作る影が車体に被ってしまったりすることがあるのですが、これはビジュアルの美しさにはマイナスです。
ところが丸ノ内線にはそれがありません。お気づきの方も多いと思いますが、丸ノ内線だけでなく、銀座線も同じように、普通はあるはずの天井の上にパンタグラフがありません。

だから地下ではなく表を走る一部区間は非常にすっきりとした感じに見えるのです。

じつは私が小学生の頃、同級生が「丸ノ内線と銀座線はディーゼルカーなんだぜ。その証拠にパンタグラフがない」と言っていたことを思い出しました。
当時はこんなアホな話をクラスの半分くらいの子が信じてしまっていました。

「都市伝説」というのは、このように広がっていくのでしょう。

 

話を戻します。
丸ノ内線も銀座線もパンタグラフはついていませんが、当然のごとくディーゼルカーではありません。

れっきとした電車です。

この二つの路線に乗ることがあったらじっくりと観察してもらいたいのですが、線路の横にもう一本、レールのようなものがついています。

丸ノ内線④

そして電車の台車から、そこに棒のようなものが伸びていて、その線路をこすりながら走っています。

丸ノ内線⑥

これが丸ノ内線と銀座線の集電装置なんです。

では、なぜこんな変な方式の集電装置を使っているのでしょうか。

 

メリットの一つとしてトンネルの大きさが小さくて済むことが考えられます。

銀座線と丸ノ内線は、東京メトロの中でも最古参の部類の路線ですが、当時の技術ではトンネルを掘り進むことは、今のように簡単なことではなかったことでしょう。少しでもトンネルを小さくすることができれば、それだけ作業効率も上がったに違いありません。
デメリットとすれば、特殊な集電形式なので、他の路線と相互乗り入れがやりにくいこと。

東西線や千代田線、有楽町線のように他の鉄道会社と相互乗り入れをすることもできず、路線がガラパゴス化してしまうのです。
そしてもう一つ。

高電圧の電気が通った線路が低い位置を通っているので、感電する危険性が高く、線路作業には危険が伴ないます。

つまりトンネルを掘る効率が良いことを除けば、あんまりメリットはないんですね。

それが証拠に現在つくられる地下鉄は、ほとんどがパンタグラフを装備しています。

そして、集電用の線路はその場所ごとの都合で左右に取り付けられています。どちらかが途切れたら、必ずそこから反対側に集電用の線路が現われるのです。

丸ノ内線②

ちなみにこの線路には高圧電流が流れていますので、絶対にホームから線路に降りたりすることはしないでください。

この方式を採用している路線は、普通の路線以上にこの集電用の線路が危険なのです。

この形式の集電方式は地下鉄を中心に採用されていることが多く、東京の他にも名古屋の東山線・名城線・名港線、大阪の御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・千日前線などで採用されています。みなさんも機会があったら、ぜひ確認してみてください。

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