【われら TETSU family】 file.8 玉川美沙(前編)

『ママ鉄パーソナリティー』
独占インタビュー(前編)

01

  ラジオパーソナリティ
  (文化放送『玉川美沙ハピリー』土曜7:00AM~10:00)
  大阪府出身
  ぐあんばーる所属。愛称は「たまちゃん」。

息子の成長とともに鉄道にハマり、ママ鉄となる。
番組も鉄道色の濃い企画が多数ある。

*********************************************************

息子とのやりとりからハマっていった

 

――玉川さんがパーソナリティーをやっておられる番組「ハピリー(文化放送・毎週土曜朝7:00~)」は非常に鉄道色の濃い内容なのですが、鉄道に興味を持たれたきっかけは何だったのですか。

2011年に出産した息子が一歳半の時、マクドナルドのハッピーセットで中央線のプラレールがもらえたんです。今まであまりおもちゃに執着することもなかった息子が、とてもこだわっていたんですね。これは電車がすきなんだろうと思ったのですが、『電車』と一くくりで教えるのではなく、『中央線』『山手線』という教え方をしていったんです。するとオレンジのラインは中央線、緑のラインは山手線というように、本人の中でマッチングが速くできるようになって、それまでのおもちゃに対して名前を覚えた時よりも、格段にスピードが速かったのと、本人の興味がすごかったんです。そうするとこちらもだんだん面白くなってきて、いろいろ教えるようになったのですが、新幹線も『のぞみ』『ひかり』『こだま』だと子どもにはわからないんですよ。どうやって分けて教えたらいいかと考えた時に出てきた答えが『700系』『N700系』という分け方だったんです。そしたら在来線にも形式があることに気づいて、教えていたんですけど、ここで問題が出てきました。息子が『東海道線』と『湘南新宿ライン』の違いに納得がいかないんですよ。

――同じ車両(E231系)が走っていますからね。

03

だから説明をする方もいろいろと試されるんです。研究しなくてはいけないのですが、その息子とのやりとりが面白くなって、いろいろ自分でも調べたり、もともと乗り物は好きだったので、面白くなってきたんですね。これはどこの親もそうだと思うんですが、息子がいろんな形式を覚えるようになると「ウチの子は賢いんじゃないかしら?」って思うようになって……一緒になってハマっていったという感じですね(笑)。

――お子さんとのやりとりで、教育的な部分も含めて研究しているうちに面白くなってしまったんですね。

じつは昔からラジオリスナーには鉄好きが多いんです。ラジオネームに『キハ』だの『モハ』だのつけてくるリスナーがいるのですが、息子を出産する以前の私は、「あんたたちの言ってることはわかんないよ!」というスタンスで、彼らをいじるやり方だったんです。ところがそれがわかるようになってきてしまったんです(笑)。なんでみんな『キハ』が好きなんだ?『キハ』って何だ?……あ『気動車』か、と。

――だんだんいろいろなことがつながりだしたんですね。

なんでラジオリスナーに乗り鉄や撮り鉄をやってらっしゃる方々が多いのかもわかりました。乗りながら、撮りながら、聞いてくださっていたんですね。

――「ながら」ができるからでしょうか?

そうですね。乗り鉄や撮り鉄をしながら聞いてくださっている方は多いんじゃないでしょうか。あとは鉄好きの人は地域のコミュニティも大切にしますよね。AM放送はとくに『地域に根付いているラジオ』だと思うので、地域やコミュニティに愛情の深い方々が聞いてくれるんじゃないでしょうか。そういう部分で相性がいいんだと思います。テレビとは明らかに違うと思います。

――番組もだんだん鉄道色が濃くなってきていると思うのですが、いろいろな企画は玉川さんが考えているのですか?

私が「こんなことをやったら面白いんじゃないか」ということを出して、それを周りのスタッフがきれいにまとめてくれているという感じです。スタッフも私が興味あることを取り上げるのが面白いと思ってくれているので、今、私が鉄道に興味があるなら、それをネタにしようとしてくれている部分はありますね。

 

『企業努力鉄』にすごく共感しました。

02

――今、注目している車両や列車とかありますか。

う~ん、何でしょう。私は一応カテゴリー的には『ママ鉄』になるんですけど、撮り鉄でもないし車両鉄でもないんですよ。最初の頃、息子に教えるために研究はしましたけど、そこに執着はないんですよ。今、山手線の車両とか聞かれてもすぐには出てこないし、485系がどうのとか、そういうのを覚えるタイプでもないんですよ。パッと見て車両の違いがわかるわけでもない、グッズの収集もそんなに興味があるわけでもない。で、何がそんなに鉄道が面白いのかと考えたんです。そんな時、土屋礼央クン(RAG FAIRのリードボーカル)が番組のゲストとして来てくれた時、話していたら、彼が自分のことを『企業努力鉄』と言っていたんですけど、それにすごく共感しました

――『企業努力鉄』とはどういう意味でしょう。

鉄道会社が好き、鉄道会社の取り組み自体が好きなんですよ。私は元々、『焼酎アドバイザー』の資格を持っているのですが、なぜ焼酎が好きなのかと言うと、焼酎蔵の方々を尊敬していますし、焼酎蔵の方々が好きなんです。それと同じような感覚で鉄道が好きなんですよ。焼酎蔵の人たちって焼酎をつくるのですが、焼酎は地域の酒であり、地域のためにがんばるんですね。それと同じように鉄道会社の方々も、地域を走っていて、地域の方々を運ぶ鉄道のためにがんばるんです。鉄道マンの方々とご縁をいただくようになって、鉄道マンは焼酎蔵の人たちと似てると思ったんです。ちょうど私が興味を持ち始めた頃、震災があって三陸鉄道が注目されていたり、いすみ鉄道の鳥塚社長さんのがんばりも注目されていました。別のところからやってきて、地域や会社を盛り上げているという努力も、とても魅力的に感じました。

――企業努力をしている姿に感動したのですね。

今の時代は自分の人生のことばかりを考えている世の中だと思うのですが、「自分が――」と言わない焼酎蔵や鉄道マンの方たちは常に外を向いていると思うんです。地域そのものが活性化するために自分の仕事に取り組むんです。結局、電車が好きというよりは鉄道に関わる人たちが好きなのかもしれません。非常に魅力的な人が多いですね。

(後編へつづく)

このページの上へ